Debut!(デビュー)2022

中川上越市長独占インタビュー

上越市長 中川幹太

上越の未来を担う
君たちへエール

私が感じる「ふるさと上越」のすばらしさ

私が住んでいた大阪、兵庫のベッドタウンでは、町内会や自治会の取組みを見たことがなく、祭りもありませんでした。上越では地域組織がきちんと運営されており、結びつきが強いと感じています。

今、住んでいる桑取地区は特に農村社会のつながりが息づいており、協力しながら生きていく傾向が強いです。燃料、食べ物など生活に必要なものを自給自足している方や、足りないものは貸し借りすることもあります。上越に初めて来たときはカルチャーショックを受けました。都会に見られない姿を上越の生活で見られたことは、いい経験になりました。

上越は上杉謙信公をはじめ、親鸞聖人、前島密、川上善兵衛、坂口謹一郎など多くの偉人を輩出しており、歴史的に卓越した人物が多い地域です。こういった先人の魅力や歴史文化を発信し、市外の方々にも認めてもらえるよう、通年観光に取り組みたいと考えています。皆さんは普段、意識していないかもしれませんが、上越の食べ物のおいしさはどこにも負けません。地元にいなければ食べられないものがたくさんあります。里山も宝の山です。

都会ではお金を出せばいろいろなものを買えて、食べられます。しかし、東京と上越の両方で暮らした経験からいって、都会で働くほうが収入は多いかもしれませんが、お金を使わなければ生きていけない環境でもあります。上越で暮らすほうが生活の豊かさを感じることができるではないでしょうか。こういった上越で暮らす価値をぜひ、高校生の皆さんに知っていただきたいです。地元に根付いた企業がたくさんあります。一度外に出たとしても、ぜひ地元に戻ってきたり、愛着を感じていてほしいですね。

すべてが上越にある

すべてが上越にある

桑取から通勤していると、時間がかかるかと聞かれますが、30分くらいです。東京では、通勤に片道2~3時間かかる人もいますので、30分なんてあっという間です。上越には「生きるために大切なものがすべてある」と思っています。主流になっているSDGsや脱炭素の取り組みも、最後は地方にたどり着くと考えています。オンラインの活用により、地方でも都会と同じ仕事ができる時代になっています。

「上越では働くところが見つからない」とよく言われますが、実際はすべての業種で人材が不足しており、人材の取り合いになっています。特に中小企業は熱心に人材を求めています。まさに売り手市場と言えますし、各企業においても人材育成に力を入れているところが多くあります。若い世代にチャンスが多いのが現状です。あとは「情熱」があるかどうか。行動を起こすことが大事です。自分にも役割があるということは、かけがえのないやりがいと喜びにつながるのではないでしょうか。

生活面の環境も充実しています。若い世代に聞くと、皆さん「上越は暮らしやすい」と言っておられます。私自身が子育てで実感していますが、一時預かりや病児保育など、子育て支援の制度も手厚く整備されていて、子育てしやすいまちです。自然、食、雇用と、様々な環境で豊かな地域ですし、上越は恵まれた地域だと思っています。

市としても今後、新しい事業を立ち上げたいという人材を集めたいと考えています。若い世代に魅力を感じてもらえるよう、IT 系の企業や起業を志す人が集まる拠点をつくりたいと思っています。

今後延伸していく北陸新幹線は、関西圏との時間距離をさらに短縮し、東京圏、大阪圏と直接つながる上越妙高駅があることは、とても大きなメリットです。高速道路の結節点であることも重要です。こんなに地理的優位性の高いまちはほかにないのでは、と思っています。佐渡航路で結ばれている佐渡市、新幹線ですぐ近くの長野市とも連携しながら、全国、世界に魅力をPRしていきたいです。

やりたいことに突き進んで

やりたいことに突き進んで

高校生や若い世代の皆さんには、ぜひ、常識や固定概念に縛られずやりたいことに突き進んでほしいと願っています。はっきりとした夢はまだ見えなくても仕方ないですし、追い求めるものは日々変わっていくと思います。

最初は苦労しても、好きなことに没頭して、とにかくやってみること。東京にいたころ、「根拠のない自信はどこから来るんだ」とよく言われましたが、若いときはそのくらいでもよいのではないかと思います。怒られることを恐れず、挑戦してみることの方が大切だと思います。

時代は刻一刻と変化していきますが、その変化に対応しなければいけません。まずは行動する事。何でもやってみること。自分は何をやりたいのか、思いを強く持つこと。大変な思いをしながら、時間はかかっても、人間として強くなれます。市としては、チャレンジする人を下支えする制度を作りたいと考えています。

上越市長 中川幹太

地域企業に目を
向けるきっかけに

上越市 産業観光交流部
小田 基史部長

皆さんは、これまで総合学習などの時間を通じて、上越市やこの地域の産業について学習されたことと思います。しかし、具体的に地域にどのような企業があるかご存じない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

上越地域には、本誌に掲載された活躍企業のほかにも、化学工業や電子部品工業などの分野や独自の技術で世界的なシェアを有する企業、また、皆さんの生活に欠かせない生活資材を供給している企業も多くあり、これら企業の製造品等出荷額は、ほかの地域に比べて近年大きく増加しています。

また、IT・デザイン系企業のサテライトオフィスの進出も増えてきており、それらの多くは、皆様の先輩、上越地域から輩出した方々の力によるもので、若い皆さんの力を必要としています。

今、新型コロナウイルス感染症はもとより、地球温暖化に対する脱炭素に向けた環境の変化を通じて、社会は暮らし方や働き方の変化を求められ、さらなる持続可能な社会へと変わろうとしています。皆さんの「幸せ」や「成功」も首都圏にしかない訳ではありません。「時間」や「場所」を超えて活躍できる社会に急速に変貌しようとしています。

「縁」あって生まれ、育ったこの地域の素晴らしい企業をぜひ知ってもらい、大学、専門学校などに進学されたとしてもその先の就職を考える場面で、ふるさとの企業の就職情報をご確認いただきたいと思います。

また、保護者の皆様におかれましては、子どもさんが就職活動を始めるタイミングに、ぜひ、新潟県雇用環境整備財団が実施している上越地域の企業への就職情報を子どもさんにお送りいただければ幸いに存じます。

この情報誌が、多くの皆さんから地域の企業に目を向け、豊かな人生へのきっかけとなることを切に願います。

市では、新潟県雇用環境整備財団と連携し、
Uターンする若者の就職を支援しています。

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